行政書士に合格するために必要な勉強時間は『独学だと1000時間』と言われることもあります。
実際にはもっと短い時間で合格できることもありますし、逆にもっと長い時間を勉強しても合格できないことだってあります。
合格した人の勉強時間について調べてみると、かなり『幅』があることがわかると思います。
この差はズバリ、『勉強方法の違い』によるものです!
どれだけ効率よく勉強できたかによって、トータルの勉強時間が決まりますし、合格できるかどうかも決まってきます!
ということで、
行政書士に合格するための、効率的な勉強方法について、徹底的に紹介していきます!
いきなりテキストを読むのは間違った勉強法!
行政書士を目指そうと思った時はモチベーションが非常に高く、『よ~し!絶対に合格してやる』というハイテンションになっていることがほとんどだと思います。
やる気に溢れているので、すぐにでもテキストを読み込んで知識を吸収していきたいと思うところですが、
実は、最初からテキストを読んで勉強するのは非効率なんです!
まずは合格基準を理解する!
行政書士の試験は若干特殊になっています。
科目名 | 配点 | |
法令 | 憲法 | 28点 |
行政法 | 112点 | |
民法 | 76点 | |
商法 | 20点 | |
基礎法学 | 8点 | |
政治・経済・社会 | 28点 | |
情報通信・個人情報保護 | 16点 | |
文章理解 | 12点 | |
合計 | 300点 |
上記は、行政書士試験の科目と配点基準になっています。
- 法令科目は50%以上
- 一般知識は40%以上
- トータル点数が、全体の60%以上の点数
ポイントは上記の通りで、全ての条件をクリアしないと試験合格とはなりません。
行政書士試験は300点満点で、合格点は60%の180点となりますね。
実は、行政法と民法の2つだけで188点もあるんです!
一方で、商法や基礎法学は2つ合わせても28点しかありません!
このように、配点基準や合格基準をわかったうえで勉強することで、
『どの科目に力を入れて勉強すべきか』がわかるようになりますし、勉強を進めていく上での時間配分もイメージしやすくなります!
試験内容を理解して、勉強の効率アップ!
いきなりテキストを読んでも、基本的に文章だけで構成されているので、どこが重要なポイントで、どういった形式で問題が出題されるかもわかりません。
テキストを読む前に、『実際にどういった形式で、どういった内容の問題が出題されるのか?』を理解することが正しい勉強法と言えます。
つまり、勉強の順番としては、テキストを読むよりも先に問題を解いてみるってことになりますね!
『初学者だし、基本から勉強しないと問題を解いても間違いだらけじゃん!』
って思うかもしれませんが、勉強中はいくら間違えても問題ないですよね!本番で合格できればいいんですから。
ということで、まずは過去問を解くことから始めましょう!
日数を逆算して勉強スケジュールを立てる!
行政書士の試験は年に1回しか実施されません。(毎年11月第2週の日曜日が基準)
行政書士を目指そうと思った時期が12月なら1年近くの勉強期間がありますが、8月に受験を思い立ったなら残り3か月しかありません!
また、法律関係の勉強が初めてなのかどうかでも必要な勉強時間が変わってきます!
ということで、勉強スケジュールの作成は人それぞれで一概に『この計画で勉強すれば大丈夫!』とはなりませんよね。
基本的には自分で計画していくしかないんです。
では、具体的な勉強スケジュールの立て方ですが、
- 過去問を解く
- テキストを1周する
- 全体像をつかみ計画を立てる!
上記のステップで行います。
とりあえずテキストを一回読まないことには勉強する範囲の全体像が掴めず計画の立てようがありません。
テキストを全て読み、どの部分が難しそうで、どの部分が比較的簡単に勉強できそうなのかもわかってくるはずです。
そして重要なのが『行政法』と『民法』をどの科目よりも勉強することです!
先述したように、行政法と民法だけで合格基準の180点を上回る配点となっていますね。
この科目をどれだけ勉強できるかで合格できるかに大きく関係します!
勉強方法がわかりにくいのが『一般知識』
法令の勉強は、テキストを読んだり、過去問を解いていくと傾向もつかめてきますし、対策も立てやすいですが『一般知識』の問題は非常に勉強しにくいんです。
一般知識の科目では、
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
めちゃくちゃ範囲が広いんです!
法令の勉強とはまた違った勉強をしなければならず、しかも配点は56点と少なめです。
*一般知識だけで40%の点数を取らないと不合格(足きり)になります。
点数が稼げないのに、足切りがあるから捨てるわけにもいかない。でも、勉強効率が低い。
かなり厄介なんです。
普段から意識してニュースサイトなどをチェックする必要があります。
独学では、どんな問題が出るかを予想するのも難しいので、通信講座を利用して対策するのもオススメです!
心理学を応用?効率的な勉強方法とは?
個人的にけっこう心理学が好きで、よく本を読んでいるのですが『勉強に使えそうな心理学』って結構あるんです!
この心理学を行政書士の勉強に使わない手はないですよね!
とことん効率的に勉強していくことが難しい行政書士試験に合格する秘訣です!
インプットよりも圧倒的なアウトプット!
インプットとはテキストを読んだり、動画講義を見たり聞いたりすることですね。
一方のアウトプットは、問題を解いたり、字を書いたり、誰かに説明したり話したりすることです。
アウトプットをするということは、『書く・話す』というように『運動』が伴いますね!
この運動を伴った記憶のことを『運動性記憶』といい、一度覚えたら忘れにくいという特徴があるんです!
例えば、自転車に数年乗っていなくても特に気にすることなくまた乗ることができますよね?
これは『運動性記憶』によって記憶しているからなんです!
人間はどんどん忘れる生き物!
『よし!ここは大事だから覚えておこう!』
と思っても1週間後にはスッキリなくなっていたという経験は誰にでもあると思います。
忘れたことにすら気づかない、忘れたという事実さえも忘れた!って感じです。
人間の脳は忘れるようにできているので、しょうがないことですが『記憶に定着させるコツ』もあるんです!
それが、アウトプットを1回だけでなく、2回3回と繰り返すことです。
2週間のうちに3回アウトプットできればかなり記憶に定着すると言われていますね!
テキストにはどんどん書き込む!
テキストをキレイに使いながら勉強する人もいますが、どんどん書き込んでいくほうが学習効率は高まります!
- マーカーで色をつける
- 重要なポイントにアンダーラインを引く
たったこれだけも記憶に定着しやすくなるんです!
人間の脳は書けば書くほど活性化され、『注意力』が高まっていきます!
注意力が高まるということは、『これは大事だから覚えておかないと!』という感じに脳が記憶力を高めてくれるんです!
覚えることが非常に多いのが行政書士の勉強です!
テキストはキレイに使わず、ばんばん書き込んでいきましょう!
繰り返し読むことで自分の力になる!
やる気が高い人ほど、『よ~し!全部覚えてやる!』となりがちですが、テキストをどれだけじっくりと真剣に読んでも1回で覚えることが不可能です!
先述したように2回、3回と繰り返していくうちに記憶に定着していきますが、もっと具体的に解説すると、
- 1回目は20%程度の理解でいい
- 2回目は40%+覚えられない箇所を抽出する(マーカー等)
- 3回目は80%+抽出した箇所を特に読み込む!
3回の通読で100%にまではいきませんが、かなり効率よく覚えていくことができます!
しかも、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目というように読むスピードも速くなっているはずです。
読めば読むほど記憶に定着していきますし、読むスピードも速くなっていきますね!
勉強したらすぐ寝る!
フランスのリヨン大学のステファニー・マッツァによると、『勉強をしたら余計なことは考えずにすぐに寝る』ことが記憶の定着につながるとしています。
勉強で疲れたあとは、気分転換にスマホをいじったりYouTubeを見たりするかもしれませんが、何も考えずにすぐに寝る方が勉強の効率があがるってことですね!
ヒグビーの7つの理論で記憶力アップ!
心理学者のケネス・ヒグビーが提唱した『ヒグビーの7つの理論』は記憶するのに必要なコツを7つにまとめたものです。
- 有意味化(言葉だけでなく、その意味も理解する)
- 組織化(歴史の時代区分のように、系統立てする)
- 連想(すでに覚えていることと関連付ける)
- 視覚化(言葉を映像化・イメージする)
- 注意(範囲を絞り、注意を対象に絞る)
- 興味(好きになる)
- フィードバック(復習する。アウトプットする)
全てを実践するのは難しいかもしれませんが、興味を持ったものを少しづつ試してみると勉強の効率も上がりますね!
まとめ
行政書士は独学だと1000時間、法律の勉強をしたことがある人でも300~500時間ほどかかると言われています。
大人の私たちが1000時間の勉強時間を確保するのは相当難しいことですよね…。
ということで、勉強方法が非常に重要になってきます!
いかに効率的に勉強できるかで合否が決まってくると言えます!
今回紹介した『効率的な勉強法』を参考に、行政書士合格を目指していきましょう!